※実際の一般質問では、原稿と異なる部分もありますので、大田原市のホームページから議会の映像ライブラリの動画↓↓↓をご覧ください。ブラウザとしてIEを推奨しているようです。
http://eizo.ohtawara-city.jp/ub/viewer.aspx?CID=167
また、引用したリファレンスへのリンクがありますので、作成途中の原稿も消さずに残してあります。こちら↓↓↓のリンクでお読みください。 http://hideko.yze.jp/gikai1.htm
大田原市議会 六月議会 一般質問 6月10日(金)
今回の一般質問ですが、皆様からのたくさんのご意見をいただき本当にありがとうございました。改めてお礼を申し上げます。多くの市民の皆様の期待を背負っていると考えると、心強くもあり、責任の重さも感じます。今回の質問は私だけの声ではなく、皆さんの声ですから、前もってホームページで内容を公表してから一般質問に臨むことにしました。
平成23年6月10日7時30分
八木 ひでこ
10番、八木英子でございます。
先ず、このたび東日本大震災により、被災されたみなさまに心からお見舞い申し上げます。
さて、第一番目の放射線問題に係る質問に入る前に一言申し述べさせていただきます。私は、昨日質問された議員に対する答弁のように、国や県に責任転嫁をするかのような答弁は期待しておりません。
大田原市は地方自治体ですから、日本国憲法第8章に定められている通り、国の定める法律の範囲内で、独自の意思に基づき行動すべきです。今回の放射線問題は、国や県の示した方針を鵜呑みにすれば済むことではなく、自立した地方自治体として独自の方針、対応、対策をとり、市として国や県に対して強く働きかけていくべき問題です。市がきちんと検証検討し、その最高責任者である市長としての責任により決定すべきものであると考えます。
さらに、今回の震災および放射能問題への対応については近隣市町の連携が重要となるでしょう。今こそ大田原市は近隣市町のかじ取り役として正しいリーダシップを発揮すべきときだと考えます。
それでは質問に入らせていただきます。質問中かなり強い表現を使うことを前もってお詫びしておきます。
大きな1番として、大田原市の放射線に関する対応について
お伺い致します。
(1)市民への情報提供について
@ 大田原市では、一般市民に対する放射線情報が遅く、質も量も圧倒的に不足しています。特に、市の公式ホームページでは、検証されていない不適切な放射線に関する情報が記載されており、市民に対する情報提供として、説明不足な点が散見されます。市民の安全安心を守る大田原市として、より正確で、迅速な情報の発信を望みますが、市としての考え方をお伺いします。
1)先ず、市のホームページ「環境放射能の状況について」ですが、自然放射線による年間線量が2.4ミリシーベルトとの記載があります。大田原市の示す上記の値は世界平均であり、日本のものではありません。また自然放射線による年間線量は場所によって異なります。
例えば東京電力も含む電気事業連合会のホームページによると、原発事故以前の日本の自然放射線による年間線量は、0.99ミリシーベルトであり、世界平均の半分以下となっています。また栃木県の平均値は、1.00ミリシーベルトから1.09ミリシーベルトです。
市としての公式見解であるならば、きちんと“世界平均”と但し書きをつけるべきであり、本来ならば世界平均の半分以下である日本および栃木県の値も併記すべきだと考えます。
2)第二に、市の公式見解として、放射線に関する安全の目安は 100ミリシーベルトとホームページに記載がありますが、この記載だけでは説明不足です。これには、その対象が大人なのか子どもなのか、そして、毎年なのか毎時なのかといった数値の単位も明記されていません。さらに何を根拠にこの安全基準を採用したのかという説明もありません。
福島原発の事故以来、放射線の安全基準値は、専門家の間でも様々な意見に分かれており、将来の健康被害増加に警鐘を鳴らす説、現状程度なら健康に被害がないという説、さらには、かえって健康に良いという説等、様々な情報が交錯しています。専門家ですら予測できない今回の事故の影響について、100ミリシーベルト以下は安全と断言するのは問題だと考えます。
本来被爆量に関しては、人体への影響を心配する必要のないレベルが国際放射線防護委員会、ICRPによって勧告され、日本もこれを批准して、一般の人が受ける放射線の量は、自然放射線と医療を除き、「年1ミリシーベルト以下」と定めています。
100ミリシーベルト以下なら絶対安全という保証はない以上、その点に関する補足情報の記載を要望します。
参考までに、100ミリシーベルト説を採用する学者等の理由付けの多くは、「年間100ミリシーベルトの放射線に被曝してもただちに健康に影響はなく、将来的に発ガン率が、0.5%しか上昇しない。日本人の約半数はガンになると考えると、ガンになる確率が50%から50.5%とわずかに上昇するにすぎない」ということです。
しかし、これを子どもに当てはめてみると、例えば、今3歳の幼児が、10年後、13歳、中学生になるころ、0.5%、つまり200人に1人の子ども、市内の大きな学校で言えば、一学年に1人が、小児ガンや小児白血病になるのを大田原市は容認するということになります。子どもの方が放射線の影響を受けやすいので、おそらくそれ以上の確率となると推測されますが、いかがでしょうか。
3)第三に、大田原市内の環境放射能の目安として、国際医療福祉大の管理棟前での測定結果を市のホームページで公表しており、また今後は広報誌も利用して市民の安心を図るという昨日の答弁がありました。
その取り組みは評価されるべきものだと考えます。しかし測定地点が一箇所では足りないと感じますし、少なくとも機器の種類、測定ポイントの地表からの高さ、地表の状態(アスファルトなのか砂なのか等)、天気や風等の気象条件の記載は欲しいところです。公式に数値を発表するのであれば、測定条件等をしっかり記載していただきたいと考えます。
4)最後に、水田土壌中の放射性セシウムの調査結果についてですが、大田原市のホームページにおいては、「すべての土壌サンプルにおいて土壌中の放射性セシウム濃度が上限値の1キロ当たり5000ベクレルを下回っていましたので、すべての水稲生産者のみなさまは、これまで通り安心して計画通りに田植え作業を進めてください」との記載だけで、詳しい結果報告、どこで、何箇所の計測で、何ベクレルだったのか、がありません。
栃木県のホームページにおいては、測定値が記載されていますが、栃木県に確認したところ、各エリア、およそ市町村単位において、それぞれ5地点で測定し、その「中間値」を発表したとのことです。大田原市の面積を考えても5地点の測定では明らかに少ないと感じましたが、念のため、測定した地点と数値をお尋ねしたところ、担当者は、「測定値はお知らせしますが、測定地点については協力していだいた地区の農家に対して、風評被害を避けるために発表しないとの条件で測定させていただいたので、お知らせすることはできません。また今後も発表することはありません。これが県の方針です。」との返答でした。
県の担当者によると、大田原地区の水田の放射性セシウムの合計は、上限値の1キロ当たり5000ベクレルに対し、低かった順に、最低値が486 ベクレル、続いて687ベクレル、746 ベクレル、1494ベクレル、最高値が2014 ベクレルです。
本来全ての測定値を公表するべきだと思いますが、公表されているのは最高値でも平均値でもなく、中間値です。ちなみに、お隣の那須塩原地区では、最低値1003ベクレル、最高値3130ベクレルです。
上記の値を見ると、現在比較的高い放射線量が測定されている東北自動車道、JR東北本線沿いの福島県の中通りに位置する郡山市の875〜3635ベクレル、白河市の843ベクレルと比較して、栃木県北地域での土壌の汚染レベルは、大きな差がないことがわかります。大田原市はおよそ白河市と、那須塩原市はおよそ郡山市と変わらない値となっています。5000ベクレルという基準値を下まわったという記載だけではなく、市はきちんとした数値を市民に公表するべきだと考えます。
参考までに福島県が発表している県内の教育機関の校庭園庭において系統的に測定された放射線量率を地域分布図にしたものを見てみると、爆発後風に乗って北西(福島市方面)に流れた放射性物質が、山にぶつかり、その後、山の麓に沿って(およそ東北自動車道やJR東北本線上を)南下したように見て取れます。この分布図は以前津久井市長にも新江教育長にもお見せしましたが、単なる行政単位である県境を越えただけで、福島中通りの延長線上に位置する栃木県北部の市町が、安心して良いということにはならないはずです。
A 緊急時における市民への情報発信について何か方策を考えているのかお伺いします。
東京電力福島第一原子力発電所、または別の原子力発電所において、今後再び爆発が絶対に起こらないとは言い切れません。また、今回の震災を上回る規模の震災が今後発生する可能性もゼロではありません。
現在大田原市の情報発信で主なものは、ホームページ、公式ツイッター、広報誌です。この中で緊急時に対応できるものはおそらくツイッターなのでしょうが、これだけでは不足ではないかと考えます。
また、デジタル的な手法だけでなく、アナログ的な手法も必要ではないかと感じますが、市としては、どのような方策を考えているのでしょうか。
(2)教育機関等における放射線量の調査および除染等の対応についてお伺いします。
@ 大田原市独自で放射線量の測定機器(空間、土壌、食品、水等)を購入し、できるだけ多くの場所で継続的に放射線量の計測する考えは無いのか、お伺いします。
また関連性が深い内容になりますので、同時に
A 文部科学省による放射線の安全基準(子どもは年間20ミリシーベルト)を受けて、大田原市ではどのように対応するのかについてもお伺いします。
現在、福島県の中通り、東北自動車道、JR東北本線沿いの市町村では比較的高い放射線量が測定されています。同じ沿線に位置する栃木県北の市町も、対岸の火事とはいかないはずですが、福島県の市町村に比べて大田原市の対応は遅れていると言わざるを得ません。
福島県ではすべての学校等で1cmと1mの高さで放射線量を計測しています。また郡山市では子どもの被曝量を減らすために、市立の小中学校と保育所計28施設の校庭の表土を削る作業を市独自で行いました。地表付近で除去前に毎時3.3マイクロシーベルトだった値が、除去後は毎時0.5マイクロシーベルトにまで下がったというデータも出ています。
私は、大田原市において一日でも早い幼稚園、保育園、学校等の放射線量測定と、校庭の表土を除去する等の除染対策をゴールデンウイークで子どもたちが休みの間に行うべきだと、 4月中に、新江教育長に提言させていただきました。
その後、那須町独自での放射線測定が始まってすぐに津久井市長にも那須町で導入したものと同型の測定器(ATOMTEX社・AT6130C)なら同じ納入業者から数に限りはあるが即日納入可能である等、より具体的な提言もさせていただきましたが、現在まで教育長からも市長からも回答をいただいておりませんでした。
しかし昨日の同様の質問に対する津久井市長の答弁では、「慎重に専門家の意見を聞きながら必要があれば、放射線測定器の購入や教育機関等の除染も検討していくが、今のところ予定はない」。その理由として「国際原子力機関、IAEAの基準である年間20から100ミリシーベルトの中で一番低い値を批准している文部科学省の基準である年間20ミリシーベルト(毎時3.8マイクロシーベルト)や、先日文科省が追加で発表した毎時1マイクロシーベルト以上という福島県下の教育機関における除染を補助する基準との比較、また近隣の那須町や那須塩原市の放射線量との比較においても、大田原市の放射線量は、低いレベルにあるので子どもの健康を憂慮する緊急性はない。冷静な対応を」とのことでした。
確かに文部科学省は、子どもの被曝の基準は「20ミリシーベルト年」、「校庭・園庭で3.8マイクロシーベルト毎時未満の空間線量率が測定された学校等については、校舎・校庭等を平常どおり利用をして差し支えない」という暫定的考え方を発表しています。
しかし私の知っている限り文科省が批准したのは市長の言う国際原子力機関・IAEAではなく国際放射線防護委員会・ICRPの勧告ですので訂正させていただきます。
また「20から100ミリシーベルトで一番低い値」と言うのも同勧告の第五項、「緊急時に汚染区域に居住する場合の一時的な期間の限度基準値」であり、政府が福島県の避難区域を設定する上で参考にした値ですから引用すべき項が間違っています。
そもそも政府が子どもの被曝量の根拠としたのはICRPの勧告の第六項であり、それも元々は、ICRPバブリケーション111の第48から第50項が元になっています。
その原文によると、放射線汚染地域を放棄せず住民に住み続けることを許容する場合、年1から20ミリシーベルトの範囲で、住民の保護を最大限に考慮して可能な限り低い値を設定し、長期的には年1ミリシーベルトに近づける努力をするべきであるとしています。
しかし文科省は、「年1から20ミリの範囲」だけを強調し、その中で一番高い値を設定しています。また、ICRPの勧告の原文の中のどこを探しても「20ミリシベールト」ならば安全であるとは一言も述べられていません。
この20ミリシーベルトという文科省の暫定基準について、内閣官房参与であった放射線専門家の東京大学大学院教授の小佐古氏は「政府の対策は法にのっとっておらず、場当たり的だ」と批判して辞任することにより反意を示し、原子力安全委員会も「20ミリシーベルトを許容していない」と断言しています。また社団法人日本医師会も「とくに小児については、可能な限り放射線被曝量を減らすことに最大限の努力をすることが国の責務である」として20ミリシーベルトを強く否定しています。
多くの反発の声を受けて、文部科学省は、今後できる限り,児童生徒等の受ける線量を減らしていくという基本に立って、「年間1ミリシーベルト以下を目指す」とし、その具体的な方策として「校庭・園庭における土壌に関して線量の低減に財政的支援を行う」としました。しかし対象を福島県のみ、また校庭・園庭の空間線量率が毎時1マイクロシーベルト以上の教育機関と限定しています。
これを受けて、栃木県は福島県と同様の措置を適用するよう同省に求めており、国の突然の方向転換に批判の声を高めているようですが、今回の問題で独自の対策対応を取れなかった栃木県や大田原市にも国と同様の責任があると考えます。
たしかに県の調査において大田原市の教育機関では毎時1マイクロシーベルトを超えたところはなく、近隣の那須塩原市、那須町と比較しても低い空間線量率が測定されています。
しかし、「校庭・園庭における土壌に関して線量の低減に財政的支援を行う基準を空間線量率を毎時1マイクロシーベルト以上と限定した文科省ですが、その文科省自身が、外部放射線に係る線量について、実効線量が3か月あたり 1.3ミリシーベルト、およそ毎時0.6マイクロシーベルトを超えるおそれのある場所については放射線管理区域に設定するよう定めているのをご存知でしょうか。子どもの被曝を年間20ミリシーベルトまで許容するというのも、明らかに文科省自身が違法行為を犯す、自己矛盾です。
放射線管理区域とは、放射線による障害を防止するために厳重に管理されるべき区域として法令により取り決められており、管理区域内に立入る者に対しては、放射線防護の観点から、定期的な健康診断、適切な教育・訓練等が義務づけられています。
また、文科省が子どもの被曝基準線量として想定しているのは外部被曝、空間線量率だけであり、内部被曝に関しては考慮されていません。子どもたちが校庭等で屋外活動をする場合、空気と一緒に放射性物質を含む土埃等を吸い込まないわけがありません。体内に取り込まれた放射性物質は蓄積していくので、内部被曝量は日々増加していきます。その他、食物や飲料水からの内部被曝も発生します。
現在、福島県の中通り、東北自動車道、JR東北本線沿いの市町村では比較的高い放射線量が測定されていることについては前述した通りです。同じ沿線に位置する栃木県北の市町も、対岸の火事とはいきません。那須町や那須塩原市と比較して大田原市の放射線量は低いと言いますが、同じ栃木県でも県央や県南の地域、県北でも那珂川町や那須烏山市と比較すると、かなり高い放射線量となっています。
現在では那須町や栃木県による調査、また民間での取り組みにより、栃木県北市町における相対的な空間放射性線量率の分布の傾向は、あらかた把握できるようになっています。しかし福島第一原発の事故は未だ収束しておらず、再び爆発が起きる可能性も否定できない状況の中、県で一度計測したからそれで良いという問題ではなく、今後も継続的に調査が実施されるべきであると考えます。大田原市としても、市民の健康と安全を守るためにも、早急に市内の放射線量の把握と対応に乗り出すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
那須町のガイガー管式測定器による値と栃木県によるシンチレーション式測定器による値で、機種による誤差が指摘されています。どちらの性能が良いという議論はさておき、那須塩原市においても那須町と同型の測定器を28台導入するとの発表もありましたし、那須町の民間グループによる取り組みでも同型の測定器を使用するとのことですので、今後那須地区においての連携も考慮するならば、大田原市も同じ型式の測定器を導入するのが、今のところ最良の選択であると考えますがいかがでしょうか。
また、現在の一般市民の心配は、主に外部被曝の指標となる空間放射線量率よりも、内部被曝の指標となる土壌や食品の汚染に移行してきています。昨日の答弁でゲルマニウム半導体検出器という言葉も出てきましたが、大田原市民の健康を守るためにも土壌や食品・水等の放射線量および放射性核種の調査を細目に渡り行える環境を早期に整えるべきであると考えます。
B ここであらためてお聞きします。子どもの被曝をできるだけ低く抑える為に、教育機関等の除染について校庭園庭・公園等の表土の除去、また校舎園舎、プール等の洗浄等が有効であるとの実証データがでていますが、大田原市では実施する予定はないのでしょうか。
市内のいくつかの教育機関では、前述した本来「放射線管理区域」として管理されるべき基準である毎時0.6マイクロシーベルトを超えている現状です。また、繰り返しになりますがこれは外部被爆のみの値であり、内部被爆を考慮すると、さらに高い値になります。大田原市の子どもたちを全て避難させろとは言いません。ただ子どもたちの健康、すなわち大田原市、栃木県、日本の未来を守るためにも、子どもたちの被曝量は少なければ少ないほど良いと考えています。大田原市としても、盲目的に国や県の方針の決定を待つのではなく、現実的に実行可能で効果的な除染方策も示されているのですから、早急に市内全ての教育機関等において出来る限りの除染対策を実施し、子どもたちの被曝をできるだけ低く抑える為の対応対策をとるべきではないでしょうか。
また、大田原市内で子どもの安全を第一に考え、既に独自に校庭等の表土の除去を実施した教育機関があります。しかし除去した表土の最終処分が問題となっています。大田原市として、既に独自に対策をとった教育機関に対し、すみやかに対応すべきだと考えますが市の方針をお聞かせください。
C 野外活動(プール等の利用)を安全に行う対策を大田原市では検討しているのでしょうか。
特に屋外プールの利用について不安視する声が保護者から多く聞かれます。だからと言って子どもの活動をあまりに制限するのもかわいそうだとのジレンマもあります。プールは厳重に洗浄し、きちんと放射線量を測定した上での利用になるはずですし、大田原市の水道水に関しては放射性物質が検出限度以下となっていますので、水を張ったばかりのプールであれば、ある程度安心できるのではと思うのですが、時間が経つにつれ、雨や埃等で、どの程度プールの水が汚染されて行くのかが分からないというのが一番の不安材料です。私個人的には、危険度が分からない現状において屋外のプールの使用はできるだけ控え、市の屋内プールの使用を推奨すべきであると考えますが、仮に屋外プールを使用するとなった場合でも、できるだけ被曝量が少なくなるように、毎日の水の放射線量の調査や、例年よりも高い頻度での水の入れ替え、また、例えばプールを利用していない時間帯はシートでプール全面を覆い、雨や埃をできるだけ水に入り込ませないようにする等の対策はあってしかるべきだと考えます。市および教育委員会ではどのような対策対応を考えているのかお伺いします。
D 大田原市の学校給食の考え方と対応についてお伺いします。
次の大きな3番の質問にも関連してくる問題ですが、現在国で定めている暫定基準値について内閣府・食品安全委員会は諸外国に向けて、暫定基準値は健康への影響を事前に評価したものではないとの発表をしています。
また厚労省は、市民団体の公開質問に対し、水・食品の放射性物質汚染について現行基準レベルの放射能含有食品・水を消費した場合「後になって健康影響が出るかもしれない」と答えています。つまり「直ちに健康に影響はない」とは、いずれ健康被害が出る危険性があるという意味であることを公式に認めた形です。厚労省の計算によると暫定基準値のレベルの放射能に汚染された水・食品を1年間食べた場合の被曝量は、年間17ミリシーベルトの被曝になると言っています。
様々な意見はありますが、これ以下なら安全であるというしきい値は存在しないというのが、現在主流の放射線濃度に関する考え方です。リスクがあるなら極力そのリスクを抑える方向で考えるべきではないでしょうか。
栃木県知事は、基準が「厳しすぎる」として規制緩和を国に要望していますが、本来子供たちの健康と未来を第一に考えるならば、逆に水や食品の基準を厳しく設定しなおすべきだと考えます。
例えば、外部検査機関に加え、自社内に検査体制を構築し、すべての製品が日本の安全基準だけでなく、独自の厳しい安全基準に適合していることを確認して出荷している民間の企業もあります。
市はこの暫定基準値についてどのように考えているのかお伺いします。
また給食に使われる食材の徹底的な検査と、測定値の公表がされるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
測定値の公表が出来ないということであれば、汚染が予測される食品に関して積極的に汚染されていない地域のものを使用する等の対策を検討するか否かをお伺いします。
(3) 風評被害と農家への保障について
@
大田原市では風評被害の意味をどのようにとらえているのでしょうか。学校給食に関する質問でも述べさせていただきましたが、正確なデータが発表されず、国の暫定基準値もあてにならない現状において、わからないから食べない購入しないというのは防衛本能であり風評ではないと考えます。
A また、農家への保障についてですが、
原子力損害賠償紛争審査会の第一次指針においては、出荷制限した農産物に関しては当然補償の対象とするとしていましたが、逆を考えれば出荷制限していない農産物に関しては、補償の対象とはしないということですから、産地偽装や基準値を超えた農作物の出荷があいつぐ等、さらに消費者の不安を煽るかたちとなり、いわゆる風評被害は加速しました。
先日発表された第二次指針では「一定期間は、出荷制限区域内で生育した農林水産物について消費者や取引先が取引を敬遠する心理は合理性がある」として風評被害に関しても、賠償対象とするとし、大田原市もその対象となりました。しかしどこまで本当に補償されるのかが不安要素です。そして今度は出荷制限されなかった地域においての補償も問題になっています。
そもそも風評被害と言いますが、前述したように国のちぐはぐな対応と、あてにならない暫定基準値が一番の原因です。
長期的な視点から見ても、消費者の納得する、より厳格な検査と安全基準を国が設定すれば、出荷停止の農作物がでた場合に、それでも消費者がその地域の他の農作物も敬遠する行動に出れば、それは本当の風評と言えますので、国が速やかに補償する、このような仕組みづくりを国に要請していくべきではないかと考えますが、市の見解はいかがでしょうか。
B 現在大田原市では、何箇所のサンプル地点で、どのような品目で、どのような方法で、農作物の放射性物質を測定しているのか。
C 農地の除染についてですが、放射性セシウム137は取り除かない限り、30年後でも半分の影響が残ります。大田原市では農地の除染(正しい計測を行いながらの土壌の入れ替え等)の対策はとらないのでしょうか。今後30年以上に及ぶ影響をできるだけ抑えるために早急な手立てが必要ではないかと考えますが、市の見解をお伺いします。
(4) 災害対策マニュアル作成について
大田原市原発事故避難対策マニュアルの作成。原発からおよそ100キロとはいえ、避難区域になれば対応しなければならず、マニュアル作りが必要ではないかと考えます。また市町村の枠を超えた協力体制づくりも不可欠ではないかと考えますがいかがでしょうか。
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