放射線は大人より子どもへの影響が大きいとのデータがありますので、小さなお子さんがいらっしゃるお父さまお母さま方は心配しておられることでしょう。私はもうおばちゃんなので、自分の体への影響にはそれほど神経質にはなっていませんが、未来ある子どもたちの健康には大いに憂慮しています。

　現在、福島県の中通り（東北自動車道、JR東北本線沿いの市町村）では比較的高い線量が計測されていますので、同じ沿線沿いに位置する栃木県北の市町も、対岸の火事とはいかないはずなのですが、福島県に比べて栃木県の対応は遅れていると言わざるを得ません。突然近隣地域より高い放射線量が狭い範囲で観測されるいわゆるホットスポットも福島県各地で観測されています。実際の放射線量のデータを見てみると放射性物質の拡散は、風向きや風速、天気（雨・雪）等の気象条件や地形に大きく影響するようです。なぜか国は同心円による危険度の設定に固執していますが･･･

　福島県ではすべての学校等で1cmと1mの高さで放射線量を計測しています。また郡山市では子どもの被曝量を減らすために、市立の小中学校と保育所計２８施設の校庭の表土を削る作業を市独自で行いました。地表付近で除去前に毎時３．３マイクロシーベルトだった値が、除去後は毎時０．５マイクロシーベルトにまで下がったというデータも出ています。

　さて大田原市ですが、現在独自に空間放射線量率の計測を行っておらず、大田原市民は那須町による計測の値を参考にせざるをえない状況です。（5/1３〜１９で栃木県により県内の教育機関等における放射線量の一斉調査が行われ、現在公表されています。５/２２追記）

　那須町では県内で初めて町独自で線量計をし、校（園）庭のほぼ中央で、保育園と１３小学校は地上５０cm、４中学校は１mで測定し、ホームページで公表しました。保護者に早く正確な情報などを提供するために町独自で実施することを決めた高久町長の英断に敬意を表します。

　県が那須町において実施している放射線量の調査は役場（4階建）の屋上（地上１７m）で行われており、ここしばらくは０．１８マイクロシーベルト/時前後で推移していましたが、１００mほどしか離れていない黒田原小学校では０．８マイクロシーベルト/時を計測しています。県で計測に用いているしているサーベイメータとは機器の種類が異なるとのことですので、数値の単純比較はできませんが、地表近くの方が放射線量が高くなるのではないかという目安にはなるのではないでしょうか。（現在県のホームページにおいて、地上50ｃｍでの測定も行われています。５/２２追記）

　大田原市の話題に戻ります。大田原市においても一日でも早い幼稚園、保育園、学校等の放射線量測定をと市および教育委員会に提言してきましたが、まだ公式な返答をいただいておりません。いずれ市での計測も始まることを願いますが、緊急を要することなので、個人的に計測するしかないと線量計を購入しました。線量計が届くまでの間、｢計測して万が一高い数値が出てしまったら、市民の不安を煽ることになるのではないか？｣また｢他と比較して高い数値の地域（ホットスポット）があったら、その地域の住民が差別される原因にはなりはしないか？｣と、色々悩みましたが、事実は事実として数値を公表することにしました。（現在は、栃木県により県内の教育機関等における放射線量の一斉調査が行われ、公表されています。これは大きな一歩だと思いますが、一度計測したからそれで良いという問題ではなく、今後も継続的に調査が実施され、その調査結果を受けて、どのような対応策をとるのかが重要だと考えます。５/２２追記）